アイツの溺愛には敵わない


翌日。


二人で作った朝食を食べて、洗濯や掃除を分担して済ませた後。


リビングにやって来ると、ソファーに座っていた颯己が振り向いて手招きをした。


「はーちゃん、ちょっと休憩しよ?」


そっか、もう10時を回ってたんだ。


颯己の傍に駆けよると、テーブルの上にはチョコレートの入った正方形の箱とカフェラテが置かれていた。


「いつの間に!?ありがとう!」


お母さんが友達から貰ったっていう有名なお店のチョコレート。


出かける前に“自由に食べてね”って言ってたものだ。


「いただきます」


直感で食べたいと思ったチョコレートを手に取る。


食べてみるとミルクチョコと香ばしいナッツの風味が口いっぱいに広がった。


「颯己、このナッツ入りのチョコめちゃくちゃ美味しいよ!」


「うん。はーちゃんの顔を見れば一目瞭然」


「ほら、こっちのビターチョコもナッツ入りだって!颯己も食べてみなよ」


箱の中に入っていた商品説明の薄い冊子を見ながら勧めると、颯己はそれを口に放り込んだ。