アイツの溺愛には敵わない


「颯己、さっきは本当にごめん」


「急にどうしたの?晩ご飯の準備のことなら謝らなくても……」


「実は、顔色が悪かったのは疲れていたわけじゃなくて緊張していただけなの」


「えっ、緊張?」


驚いた顔で首を傾げる颯己に、私は経緯を説明した。


「そっか。公園に出かける前から少し様子がおかしいなとは思ってたんだけど、そういうことだったんだね」


「うん。でも気にしすぎだったなと思って。どんな時も颯己は颯己だよね」


頬が緩んで安堵の笑みが零れる。


「そうだ!颯己、いつも食後にコーヒー飲んでるよね。今日は私が淹れてくるよ」


キッチンに向かおうと立ち上がった、その時。


「ひゃっ…」


いきなり手首を掴まれた私。


グイッと引き寄せられて、颯己の足の間に座らされた。


「ど、どうしたの!?」


「はーちゃんに教えておいてあげる」


颯己は私のお腹の辺りに両手を回して抱きしめると、耳元に唇を寄せた。



「男はみんな狼だよ。俺だって例外じゃないから」