アイツの溺愛には敵わない


“可愛い笑顔”とか、面と向かって言われると照れくさいな。


颯己がよく口にする言葉だけど、何度言われても慣れないや。


「グラタン、余分に作ったからいっぱい食べてね」


「ありがとう」


もしかして、いつも私がグラタンをお代わりして食べること、覚えていてくれたのかな…?


誕生日やクリスマス、一緒に食事することが多かったし。


そうだとしたら嬉しいな。


温かい気持ちに浸りながら、颯己のお手製グラタンを食べ進める。


楽しく会話をしながらの至福の晩ご飯タイムはあっという間に終わってしまった。


「今日はいつもよりもいっぱい食べてたよね、はーちゃん」


「だって、あまりにも美味しかったんだもん」


二人で後片付けを済ませて、リビングのソファーで肩を寄せあってゆったりと寛ぐ。


いつもと変わらない穏やかな時間。


颯己の纏う雰囲気も普段どおりだ。


色々と考えすぎだったのかな。


超がつくほどの甘々な言動だったり、狼に豹変するっていうのは、颯己には無縁なことなのかもしれない。