アイツの溺愛には敵わない


10分後。


グラタンをはじめとして、サラダやスープ等。


颯己が腕をふるった手作り料理がテーブルに並んだ。


「何も手伝わなくてごめんね」


「はーちゃんは休んでたんだから、そんなこと気にしないで」


「うん」


申し訳なさを感じながら、チーズとホワイトソースの絡んだマカロニを口に運んだ瞬間。


あまりの美味しさに自然と笑みが零れた。


「今まで食べてきたグラタンの中で一番好きかもしれない。凄くおいしい」


「はーちゃんにそう言ってもらえると嬉しいな」


「前にお父さんも言ってたけど、本当にお店を出せそう!」


味付けもだけど、サラダの盛りつけとか、彩りのバランスが綺麗なんだよね。


極めたら料理人になるのも夢じゃないと思うけどなぁ。


「過大評価しすぎだよ。それに、俺にとって料理は趣味みたいなものだから、プロになろうなんて考えてないし」


颯己は満足そうな目で私を見つめる。


「俺は身近な人に喜んでもらえれば、それで充分だから。特にはーちゃんの可愛い笑顔と“おいしい”って言葉が一番嬉しい」


満面の笑みを向けられた私は、瞬く間に顔が熱くなった。