「映結ちゃんと昼食を食べるの久しぶりだね」


「うん!」


颯己と付き合い始めて二週間が経った。


騒がしかった周囲や過剰な視線も徐々に落ち着いてきて、平穏な日常が戻りつつある状態だ。


「真浦くん、私に何か言ってた?」


「えっと、特に何も……」


「そっか。まあ、私とお昼ご飯を食べることを許可してくれてるなら大丈夫かな?」


「う、うん」


胸を撫で下ろして微笑む綾芽ちゃんに、戸惑いながら頷いた。


この二週間、お昼はいつも颯己と一緒。


もちろん二人きりの時間は嬉しいけれど、久しぶりに綾芽ちゃんと一緒に食べたいな…と思っていたら、颯己が気持ちを察してくれたようで。


“たまには友達と食べてきなよ”と笑顔で言ってくれたのだ。


颯己の言動に違和感はなかったと思うけど、何か気になることがあるのかな?


お弁当箱を手に持ったまま固まっていると、綾芽ちゃんがクスッと笑った。