アイツの溺愛には敵わない


「他の男にカッコいいとか言わなくていいから」


なんで?


感じたままの印象を素直に話そうとしただけなのに。


不満に思っていると、吉田くんがニンマリと笑みを浮かべながら私と颯己を交互に見つめた。


「真浦、もしかして琴宮さんと付き合い始めた?」


「ああ。おとといから」


「ようやく両想いになれたんだな。マジでおめでとう!」


「ありがと」


今、“ようやく”って言った?


そういえば、さっきの会話でも颯己に対しては久しぶりに会うっていう口振りじゃなかったし。


嬉しそうに颯己の肩に手を回す吉田くん。


そのタイミングで口を覆っていた手が離れて自由を取り戻した私は、颯己の制服の袖をツンツンと軽く引っ張った。


「あの、颯己に聞きたいことがあるんだけど」


「なに?」


「中学卒業した後も吉田くんと会ってたの?」


「うん。コイツも電車通学だし、登校時間帯がだいたい一緒だからよく会うんだ」


「俺は15分ぐらいで途中下車するけど、それまで真浦と色んなお喋りしてるよ」


そうだったのか。


颯己からそんな話を聞いたことなかったから、全然知らなかった。