アイツの溺愛には敵わない


「おーい、真浦!」


後ろから聞こえてきた声に反応して振り向く。


すると、手を振りながら私たちのところに駆け寄ってくる一人の男の子が目に映った。


「吉田じゃん、おはよ」


ああ、そっか。


誰かと思えば颯己の友達の吉田くんだ。


中学の時は眼鏡姿だったから、何もかけてないのが新鮮で、一瞬誰かと思った。


「おはよ~。っていうか、この時間帯に真浦と会うの初めてじゃね?」


「今日から変更したから。今後はこのぐらいの時間に登校のつもり」


「へー、そうなんだ!」


フムフムと頷いていた吉田くんが私の方に視線を向けた。


「琴宮さん、おはよ!会うの久しぶりじゃない?」


「中学の卒業式以来だもんね。眼鏡かけてないから直ぐに吉田くんだって分からなかった」


「高校入学と共にコンタクトデビューしたんだ。変かな?」


「ううん、眼鏡がなくてもカッコいいと…」


そこまで言ったところで、颯己の手が私の口を覆った。