アイツの溺愛には敵わない


「そうだ!お店の場所、教えるね」


スマホを取り出した高塚くんは、手早く操作するとマップを私に見せてくれた。


「ここからだと、こっちの川沿いの道を歩いて行くと分かりやすいよ。それで、この薬局の角を曲がって暫く歩けば洋菓子店に着くから。水色のオシャレな看板が目印だよ」


「ありがとう」


すごく丁寧で分かりやすいな。


初めて行く場所って地図を見ながらでも迷うことがあるんだけど、今回はちゃんと辿り着けそう。


「ちなみに、これが洋菓子店のホームページ」


「可愛らしい雰囲気のお店だね」


掲載されているスイーツ、どれも美味しそう。


近いうちに行ってみようと思いながら見ていた時だった。



「真浦くん、おはよ~!」


「今日は早いんだね!」


女の子たちの歓声を浴びながら無表情で教室に入って来た颯己に目を見開く。


私は咄嗟に黒板の上に掲げられた時計に視線を向けた。


まだ朝礼までは20分以上ある。


いつも、チャイムが鳴る5分前ぐらいに登校して来るのに。


なんで今日はこんなに早いの…!?