アイツの溺愛には敵わない


なんなの、アイツ。


困ってる人を助けたことが、そんなに気に入らなかったの?


“そのつもり”って何?


“勘違い”って何?


訳が分からない。


しかも、私が貰ったチョコレートも勝手に持っていくし…。


チョコレートが食べたいんだったら、キッチンの棚に入ってるものを食べればいいじゃない。


それに、借りに来たはずの古文のノートも持っていかなかったんですけど。


アイツの疑問だらけの言動に首を傾げた。


でも、そんなことよりも理解不能なのは、こんな状況下で火を吹きそうなぐらいに熱くなっている顔。


そして、ビックリするぐらい速く鳴り響いている鼓動だ。


颯己の切実に訴えかけるような鋭い眼差しに戸惑ったから?


いや、違う。


お互いの距離があまりにも近過ぎることに動揺したからだ。


不機嫌モード全開の颯己を目の当たりにした後で赤面してる私。


どう考えたって、おかしいでしょ。


ため息をつきながら、机に突っ伏した。