プロポーズをされて、いつか結婚をするという事。それは家族になるという事。付き合って別々の住居を構えていた頃ならば誤魔化す事は出来た。でも一緒に暮らし始めるととても誤魔化しきる事は出来ない。
駿くんには正直に言った。
「人と一緒に眠る事が出来ない」
「寝室は別にして欲しい」
初めはとても驚いていたが、彼は私の気持ちを尊重してくれた。 だからリビングとは別にふたつある部屋をそれぞれの部屋にしてくれた。
だから彼の部屋でセックスを終えて、彼が眠りにつく頃ひっそりと部屋を出る。
――こんなのは、私は、間違っている。
神様は、きっと知っている。
それなのにどこまでも正しいあなたが、私を愛してくれるから
私はあなたと結婚を決めた。あなたはとても正しく私を愛してくれるから、間違いだらけの私をきっと正しい道へ導いてくれる人だから
きっと幸せになれる。あなたの隣でにこにこと笑って、正しい物だけを選び続けていくから、だから私とずっと一緒にいてね。
でもね………。でも…本当は…――



