「親族席に呼ぶのもあれだしなぁ…」
「でもお母さんだもんね、絶対に駿くんの結婚式に来たいよね」
「そうかなぁ。あの人別に俺の事に関心ないでしょう」
「そんな事ないよ、だってお母さんなんだもん。絶対駿くんの事気にしてるよ…」
「あんまり母親って感情はわかないんだよなぁ。母親らしい事ひとつもしてもらってないからなぁ。
まぁ考えておくよ。親父の顔も立てなきゃいけないし」
海老フライの乗っているお皿をジーっと見つめる。
3つあった海老フライは、ひとつしか残っていない。
その様子を見て、駿くんはフォークでそれを刺してこちらへ向けた。
「あはは、駿くん食べていいよ?」
「ふ。笑真食べたいだろう?ほら、あーん」
小さな笑い声が洋食屋内に響いた。