「そういえば駿くん言ってたね。もう公開されてたんだ。じゃあそれでも見に行こうか」

携帯を片手に上映時間を調べようとすると、もう時間は調べておいた。と駿くんが言う。

本当に気の利く人。

駿くんと会うまで、ほぼ洋画は見ないタイプだった。そもそも映画自体余り好きではなかった。見たとしても、邦画で話題になっている物のみ。

けれど彼と付き合いだして、海外のアクション物や社会派の映画も見るようになった。


欠伸が出て、途中で眠ってしまいそうな程退屈なタイトルもいくつかあったが、きちんと観ていると楽しい物もあって、基本的には彼の好みの映画を見る。

映画館の上映スケジュールをスクロールさせると、現在話題になっているアニメの上映をしている事が目についた。


大人でも感動して、思わず涙をしてしまい楽しめる、映像が綺麗だと評判の監督の作品だった。
どこかファンタジックで夢があるストーリーを作る。

懐かしい。この監督のデビュー作にして大ヒットを飛ばした数年前の映画。見に行った。映画館で号泣したのは初めてで、確か一緒に見に行った人は私以上に号泣してたっけ…。

DVDボックスまで買っちゃうしまつで、家でも何度も見たっけ。