派手な金髪の長めの髪色。耳には7つのピアスが開いていて、大きな瞳が特徴的だった。どんぐりみたいな大きな目って言うと、お前には言われたくないって悪態をついて笑った。

くっきりとした二重は童顔に見えて気に食わねぇといつも言っていた。大きな口を開いて、豪快に笑う笑顔の印象的な顔。

ちょっぴり黒い肌も、引き締まった体も、全部全部大好きだった。


――どうして忘れてしまったというの?

あなたの目も鼻も口も、何時間でも見つめていたい程大好きだったのに。

どうして忘れようとしていたの?玄関が開く音がして、慌てて箱の蓋を閉めた。頬を流れる涙を拭い、玄関の方へ走り出していく。

「ただいま。いやー飲まされすぎて参ったよ。水を用意してくれる?」

そこに立っていたのは、私の今愛する人。
シュッとした輪郭の中には、派手ではないけれど整った顔立ち。
目は大きい方ではないけれど、奥二重の瞳は笑うととても優しくなる。

「笑真?どうした?」

「あ……何でも。水だよね?直ぐに用意するッ」

背中を向けた瞬間、駿くんは後ろからきつく私を抱きしめた。

ふわりと駿くんの匂いが香った。 それでも私は先ほどの海の匂いの香水が忘れられなかった。
ぎゅっと目を閉じても、大きな瞳を輝かせて豪快に笑う彼の顔ばかり思い出していた。