「本当?お味噌汁ちょっと味濃くなかった?」

「全然。丁度良いよ。
やっぱり朝から美味しいご飯を食べると元気が出るなぁ」

「まだまだ駿くんの作るご飯の方が美味しいけれどね」

「そんな事ないよ。卵焼きも俺好みの味だし」

甘めの卵焼きよりもしょっぱめの卵焼きを好む。ちなみに私は小さい頃からずっと砂糖のたっぷりと入った甘い卵焼き派だ。

けれど分けて作るのも面倒臭いので、結局は駿くんに合わせてしょっぱい卵焼きを食べる。

「そういえば、」

「ん?」

顔を上げた駿くんは、特別大きくはないけれど綺麗な奥二重の瞳を瞬かせた。

綺麗な顔をしている。 シュッとした輪郭にバランスの取れた目鼻立ち。涼しい目元と口はいつも口角が上がっていて、人から見ていつも好印象。

薄い唇は薄情者が多いと言われているけれど、愛情に溢れている性格だと思う。

「昨日職場に新しいパートさんが入ったんだけどね」

「へぇー。どんな感じの人だった?」

「実は、小学校時代からの同級生だった」

笑顔を崩さないまま、彼は綺麗に鮭の身を解していく。視線を魚に落としたまま、彼は問うた。