【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました


「奏の本当の想いを笑真に伝えなかったのは俺だ。
笑真……本当にごめん」


『こんな風になってしまって、言うのは間違っているかもしれないけれど
どうしても自分の中にふたつの矛盾した想いがある。

笑真、俺の事を許してくれ。 でも許さなくていい。
愛していて欲しい。 もう愛さなくていい。
嫌いになってくれ。 嫌いにならないでくれ。
いつも思い出して欲しい。 思い出さなくていい。
不確かな未来にお前を巻き込む事はどうしても出来なかった。
待っていて欲しいなんて我儘は言えない。 けれど俺はどんな時でもお前を。
だけど何にも言わずに笑真の前を去る俺をやっぱり待っていてくれとは言えない。
だからどうか幸せになってくれ。』

ぽつりぽつりと涙が零れ落ちていく。
きっとあの手紙の続きを読んだら、私はどんな事があっても奏を待ち続けていたと思う。
どんなに時間がかかったとしても。

けれど、この手紙は私の手の中には届かなかった。