誰の地図の上にも、忘れられない人がきっと居る。
私の中にも、きっと居る。

けれど、忘れなくちゃいけない。顔も声ももうぼやけて思い出せないのに、あの温もりだけは忘れられない。でも、忘れなくちゃ。



あなたではない人からプロポーズをされた。
あなたではない彼と結婚をする。

だから私は完璧に駿くんの物になって、彼の側に居る事が1番安心する場所でなくてはならないのだ。


気まぐれな雨が連れて来た苦くて甘い運命。 あなたではない誰かではなく、あなたを愛さなきゃいけない。窓の先、降り止まない雨を見つめながら空に願っていた事。

私の未来には、駿くんだけ居てくれたらそれでいい。