次に目を覚ました時にはすっかりと夜も明けていて、紺色のカーテンの隙間から空の色が見えた。

まだどんよりとした曇り空。でも雨音は聴こえない。1番憂鬱になりそうな空模様だった。

彼の腕の中に包まれたまま、少しだけ顔を動かすとすっかりと目を覚ました奏がこちらを優しく見つめてる。

「な…起きてたの?」

「うん。とっくの前に。俺って早起きだからさ。笑真いびきかいてたよ」

「嘘ぉ?!」

「ぐーぐー言ってた。それに涎もたらしてたし。あっはっはっはっ、相変わらずじゃん。
昔も俺よりずっと長い時間眠ってたよなぁ…」

恥ずかしい限り。
7年ぶりに一緒に眠ったというのに、かっこ悪すぎる。
女なのにいびきとか涎とか。

「人と一緒に眠ったの久しぶりだった…」

「そうなの?」

「奏知ってるじゃん?私が人と一緒に眠れないの。
すっごい小さい頃はお母さんと一緒に眠ってたけど、物心ついた時から家族とでも一緒に眠るの苦手になっちゃって。
麻子んちに居候させてもらってるけど、ソファーで眠ってたし」

「そーいやーそういう事言ってたなぁ。不思議だけど奏とは一緒に眠れるんだ!って自信満々に言ってたよな?」

「自信満々って…」