「あは、確かに。でもどちらかというと私よりパパの方が夢中で。
それにしてもかっこいいですよね、俳優の大滝(オオタキ)(スバル)くん。あんな子となら不倫したーい!」

「あッ、それって問題発言だし」

ふたりの話を聞きながら、ロッカーに頭をぶつけてしまう。
こずがくるりとこちらを振り返って、満面の笑みで言った。

「笑真ちゃん、見た?昨日の木曜ドラマ。大滝昴が主演の奴。」

「や…私はドラマはあんまり…。そんなに面白いドラマなの?」

「よくある不倫のドラマだよ~ッ。でも超ドキドキして超きゅんきゅんしちゃう。」

「旦那さんがいるのに悪いのー。でも全国の主婦に不倫願望って結構あるみたいよ。
まぁだからこそドラマの題材になって皆夢中になっちゃうんでしょうけど」

「やっぱりドラマだからこそって感じだよ。だって実際は大滝昴が社内に居る事なんて絶対にないもん。
実際に起こらないからときめきがあるんですよねぇ。…まぁ社内にあんなイケメンが居たとしても私なんて相手にしてくれないと思いますけどッ」

「つーか旦那が居る女にあんなイケメン取られてたまるかっての!
ああいう不倫女が居るから世の中に結婚出来ない私みたいな女がいるんじゃない?!
ねぇ、笑真?」