【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました


それでも私は、切れない絆を奏へと望み続けた。どうか離れて行かないように、どれだけ離れて行ったとしても、血の繋がった関係であるのならば、心は繋がっていられる。

それ程私の中での奏は特別な存在だった。
けれど、駿くんとそこまで深い繋がりを持ちたかったかと訊かれるとそれは疑問だ。

私と駿くんの間には、狂おしい程の熱情と言う物がない。どこまでも平穏で変わりのない穏やかな日々が流れるばかり。自分が自分でなくなってしまうような激情もそこには存在しない。

それをどこまでも平和な幸せだと人は言う。

10代の頃の恋愛など、ただの熱病だと。運命なんて物はないし、ソウルメイトなんて誰かのこじつけだと。

それでも信じていた。こんなに人を愛する事はもう出来ないと。

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「それにしても笑真がすっぴんで来るとは思ってもみなかったわ」

「だからそれは急いでたんだってば…!普段はすっぴんで外なんて出歩かないし、こんな髪もぼさぼさで…。
あー恥ずかしい…」

「おま…昔はよくすっぴんで大学にも言ってたし、出かける時もすっぴんで…
ふたりでプリクラ撮る時もすっぴんの時があってプリクラは補正がかかるからいいの!とか言ってたよな?」