暗闇の先に…(続)



「何だ?話しとは」



「約束通り、妹を開放して下さい。お願いします」



頭を下げた直さんを見て理解した



あぁ…そうか



この人は、妹さんを人質に取られて やむなく裏切らなければならなかったんだ



本当に裏切った訳じゃなかったんだ…だから、いつも 何処か苦しそうにしていたのか




「……まぁ、いいだろう。本当は消すつもりだったが娘の婿になってもらうなら その必要もなくなるしな。おい、錦に連絡して小娘を連れて来させろ」



「…ありがとうございます」




頭を下げたままお礼を言う直さん



数分して事務所のドアが開いた