ガタ… 何かの物音で意識が浮上する チュン…チュン… 耳に届いた鳥の囀(さえず)りに、ボーとした頭で窓の外を見やる 窓から見える空は、相変わらずの曇り空 「悪い、起こしたか?」 ポツリと聞こえた言葉に視線を移すと、陸斗は既に着替えていて、部屋を出る所だった 「1人で…行くの?」 「あぁ、様子を見てくる」 大丈夫なんだろうか… 様子を見るだけなんだろうけど、相手はヤクザ もし陸斗に何かあったら… 不安が渦を巻いていく