眠ろうとすると、親の顔が浮かぶ。
目を見開き口をへの字に曲げた父。
男性にしては高い怒鳴り声が心臓まで響くようだった。
一瞬呆れた顔をし糸が切れたように怒鳴り返し始める母。
男の、子供の、僕には、
その2つは金属の擦れるような気持ち悪く恐怖を覚える音だった。
目を閉じ、声が聞こえないように耳を塞いだ。
妹達に聞かせないように、
寝る前にしては大きな声でどうでもいい話をした。