「帰ってくるの遅かったね」 彼女はまだ制服を着ている。 家にも寄っていないのかもしれない。 「先生に呼ばれたり、クラスメイトに色々聞かれたりしてたらね」 彼女は僕の隣のクラスだった。 入学式が終わったあと、一度教室へ行って今後のことなど担任の先生から話があった。 その時隣のクラスからは賑やかな声が聞こえてきていて、その中の彼女の声もまざっていたのを思い出す。 適応能力が高いのも昔からだった。