彼女の僕の名前で我に帰ると、頭を撫でていた手はいつの間にか彼女の頬にあった。
きれいだなと思ってたら、無意識にひきこまれていた。
「あ、ごめん」
とっさに触れていた手を外し、離れる。
すると僕の顔が熱くなるより早く彼女の顔が真っ赤になっていて、おやすみと言うと彼女は急いで家に入っていった。
やってしまった。
嫉妬してると言われて少し浮かれたか。
無意識だったことがおそろしい。
さっきまでの手の感触を思い出すと、途端に顔が熱くなるのを感じた。
彼女は嫌じゃなかったろうか。
引いてなかっただろうか。
そんなことを考えて、その日の夜は全然眠れなかった。