「とりあえず早く帰ろう」


酔っぱらいに絡まれても嫌だし。




「鞄貸して」


断る彼女の手から鞄を奪う。

最初は拒否したけれど、僕が鞄を持ったらありがとうと素直に従った。




「楽しかった?」


「うん、どんどんみんなと打ち解けられてきて嬉しい」



そのわりには元気なさそうに見えるけど。



笑っているけれど、顔がひきつっているのが横からでも分かる。






「なにかあった?」



そういえば会いに来るつもりだったんだもんな。


明日また会えるのに、今日じゃなきゃだめな用事が関係しているのだろうか。