「文芸部に入ってほしいの」


入学して十日くらい経った頃、中学の時に仲良くなった山木梓が僕の元までやってきた。


別のクラスになったため、廊下で会ったときは話したりしたが、こうやってクラスまで来るのは入学してから初めてだった。




「文芸部?」


「そう、あと一人足りないの。他に入る予定なら掛け持ちでもいいし」



そういえば山木と仲良くなったきっかけは、図書委員だった。

同じ当番をやって話したときに、なんとなく仲良くなった。


本の貸し借りとかもしたっけ。



それ以来何かと行事とか休み時間など一緒にいる時間が多くなってた。