入学式の次の日から試験という一日を終えて、放課後になると彼女は僕の教室の前で立っていた。


一緒に帰ろうと言うつもりは元々なかったけれど、待っていたなら話は別だ。



きっと昨日終わったあと速攻帰った僕を見たからだろう。




「帰る?」


彼女にそう声をかけると笑顔で頷いて、僕の隣に並んで歩きだした。




「いきなり試験で疲れた?」



少し元気がないように見えて、そう声をかけるも首を振ってから思い付いたように続けた。






「あ、でも試験も疲れたかな。試験のこと考えながら、友達作りって難しいね。間の休憩で参考書とか見てる子もいるし、話しかけづらかったかな」