多分僕が女の子と遊びに行っても、彼女はなにも言わない。



こないだの体育祭の嫉妬を口に出して気まずくなったから、同じことは避けるはずだ。


いくら思ったことを言うと約束しても、人を失うことを恐れる彼女は、多分口に出さない。



そういう場面を作らないようにすることが、僕に出来ることなんだと思ってる。





「翔平なんか変わったね。他の人のことをそうやって考えられると思ってなかった」



「それすごいひどくない?」


好きな人を考えるのは当然だと思っているけれど、そんなに他人のこと蔑ろにしていたつもりはなかった。