出掛ける準備をし始めたのと家のインターホンが鳴ったのはほぼ同時だった。 今日は月曜日だからもうすでに親は仕事、純平は学校へ出掛けている。 インターホンの音的に鳴らされたのは玄関の前からだった。 ……まだ九時前だけど。 同じマンション内でこの時間に訪ねてくるのは限られている。 案の定、玄関を開けると立っていたのは彼女だった。 「しょうちゃん、おはよう」 ファッションとかそんなに分からないけれど、いつもよりおしゃれしたんだろうと分かるくらいには気合いは入っていた。