「…………おいしい」
そこで気がつく。
しばらくご飯の味してなかったということに。
そう思った瞬間に急に涙がこぼれた。
しょうちゃんは一瞬だけ驚いた顔を見せたけれど、すぐに戻ってティッシュを渡してきた。
そこからは急に涙が止まらなくなって、私はしょうちゃんの顔を見ることが出来なくなった。
「……みなみはすぐ隠す。痛いときに痛いって言わないからあとで大変なことになるんだよ」
そう言われて以前怪我したときに、隠したことを思い出す。
ばれたくなくて痛いのを隠して明るくしてたのに、血が止まらなくて大事になったのだ。
その時も最初に気がついたのは確かしょうちゃんだった。

