「え、しょうちゃんって生徒会長と知り合いなの?」



「テニス部のときの先輩。中学のときからよくしてもらってる」




私の手をとり、歩き出すしょうちゃんに着いていく。



こうやって私のやることに関わってくるのは珍しい。



そして仕事はあったのに一人で帰ってしまってという罪悪感や、明日から居心地悪くなったらどうしようという不安もある反面、しょうちゃんがわざわざ生徒会室に出向いて、生徒会長にお願いをしてくれた嬉しいとも思ってしまう。




複雑な感情の中、ただ手を引かれ歩く。





ああ、初めてちゃんと手を繋いで歩いたな。



そう気がついたのは最寄り駅に着いたときだった。