「いやー、麗華、帰ってきてくれて嬉しい!てっきり死んだのかと思ってさ」
2文の声のトーンの差に場が凍りつく。
お前が私を殺してるんだろ。
「じゃあさ、さっきの話戻るけど」
私に顔を寄せ、言い逃れできないように圧をかけてきた。
強く甘い匂いが気持ち悪い。
「何で琥珀に教科書貸したの?」
本当にしょうもない、橘くんの親でも彼女でもないのに、そこまで束縛して。
そんなに好きならさっさと告ってあとは勝手にラブラブしてくれたらそれでいいのに。
私は高田さんのかける圧に負けないよう、唇を引き結んで彼女の瞳を見据えた。
「ふぅん、答えられないんだ」
「いっ……!」
どうやら蹴られたようで、右足に電流が走ったように痺れる。
「今日のとこはこのくらいで許してあげる。今後琥珀に関わらないでね、捨て犬女」
――捨て犬女、ね。
「琥珀も、こんな根暗前髪長女なんかと関わらないようにしてよ!」
……なんとゴージャスな名前になったこと。
「別にこいつに借りたなんて言ってない」
「でも〜」
もうそろそろ勘付いているだろう、私が学校を拒否した理由に。
私は、イジメられている。



