交錯白黒


……何でいつも、この時期に体調崩すの。  

何で私は、心臓が大きくなるの。

何で私の両親は、私を捨てたの。

うちのお母さんだって……行けるわけないのに、何で浴衣なんて置いていったのよ。

未練が増すばかりじゃない。

「私、何か悪いことしたのかしら」

命は平等でも、そのオプションは絶対に平等じゃない。

それを、私達は努力で補わなければならない。

でも。

命すら、平等じゃないときもある。

命で金を稼ぐ輩もいる。

命で快楽を感じる研究者もいる。

命で、命を賭して喧嘩をする人達もいる。

命は大切だとか、守らなきゃいけないとか、上っ面の綺麗事を言って、何もしない奴らは命の尊さを知らない、能天気で苦労してない奴ら。

本当に"命"を知っていたら、そんな軽々しい言葉で言い表せない。

今では、道徳という授業でそれが教え込まれているが、果たしてそれは子供達に響いているのだろうか?

真面目に考えているだろうか?

では、殺人や自殺が止まらないのはなぜなのか?

命すら、平等じゃないときがある。

だから、それをどう変えるかは自分の努力次第なのだ。

「努力……してないのかしら、私」

ごろん、と横に向くと、目の縁が湿った。

花火大会如きで、と自分でも失笑してしまいたくなるが、私の寿命を考えるとそうも言ってられない。

入院中に病院外へ行くことは、もちろんリスクを伴うが、いつまでもビクビクしていられないのよ。

でも、人目があるから、それは叶わない。

コンコン

こんな時間に誰だろう。

看護師さんだろうか。

「……どうぞ」