「ん・・・」

ここは・・・どこ?

あたしは、確か。
魔法陣に入って変な光に包まれたんだっけ

「お前、誰」

え?
誰この人

「聞いてんのか?お前誰?人の家の前で何してんの?」

「あたしは奈未。水上彩という人を探しているの」

「あ?水上彩ってのは俺の母親だ。お前のような女が
知り合いだなんて聞いたことねぇぞ」

そりゃそうだよね。
でも

「桜木麗奈という人を知っていますか?」

「桜木?」

「はい」

「聞いてくる。待ってろ」

そう言って中に入っていった男の人

バタバタと走ってくる音が聞こえてきたと思えば
ギュウっと抱きしめられた

「く・・・るしい」

「あ、ごめんね。あたしが水上彩よ。
あなたが、麗奈の娘なのね?」

「はい」

「入りなさい。寒かったでしょう?」

そう言って家の中に入れてくれた彩さん
この家の中は温かくて

「はい」

「あ、りがとうございます」

「いいのよ。麗奈の娘ってことは、あたしの娘も同然なんだから」

え?

「麗奈とあたしはね。幼馴染なのよ。
だから小さい頃に”女の子だったら奈未。男の子だったら悠翔”にする
そう決めてたの。麗奈はね。奈未ちゃんが生まれる前に
一度だけあたしの所に来たのよ」

そうなの?

「あの時と同じ気持ちだって。
もしかしたら、こっちに来たいって言うかもしれない。
その時は、あたしにお願いするねってそう言って行ったのよ」

お母様はそこまで見越してくれていたの?