「おはよう」
私は返事を返すことなく
寝転んだまま天井を見続ける
私の胸ぐらを掴む男は
また私を何度も殴る
痛い…
あれだけ殴られた場所を
同じようにまた殴る
「カハッ」
バイクの音が私の耳に届き
近くでバイクは停まった
だめ…颯馬…来ちゃダメ……
「あいつも馬鹿だな、必死に守ってんのに
ここに来るとは」
行かせない!!颯馬の元へは行かせない!!
その一心で動かない体を必死に動かし
男の足に掴まる
「…めて…や…めて…」
「大丈夫だよ、安心して」
勢いよく玄関のドアがあき
こっちに向かってくる足音
ドアがあいた先に颯馬がいた
「姉ちゃん!!!!!てめぇ……」



