「颯馬…いい仲間持ったね」
「颯馬早く起きろよ、みんな待ってるから」
陽斗は颯馬の手を握り優しく微笑みながら
声をかけている
今の颯馬の状態は首の固定と頭には包帯
そして左腕の骨折と全身の打撲
「陽斗、疲れたでしょ?もう帰って休んで」
「いえ、一緒にいます。瑠美さんこそ帰って休んでください」
出来るはずがないのにそんなことをわかって言う陽斗
「颯馬、瑠美さんと過ごすようになって
めちゃくちゃ笑うようになったんす。
いつも《姉ちゃん、姉ちゃん》って
俺に言ってきて、颯馬があんなに
幸せそうに笑う顔この歳になって
初めて見ました。」
私は涙を流しながらその話を静かに聞いていた
「あの日覚えてますか、こいつが瑠美さんを
家から逃がした時の」
忘れるわけない
今でも鮮明に覚えてるよ



