秋を憂い、青に惑う


 


 ちゃんと聴いてるからあなたの声で聴かせて、と笑う片桐におれはあの日、出逢ってしまった。

 その話をこの先自分が自分でいるために進んだ道の先で、ゆっくりきみに伝えたい。
 それがたとえ破滅への一歩で平穏を壊すことであっても、おれはもう迷わない。

 



















「…おれのこと(さら)って、片桐」