こいつ、俺の嫁。【2】




「おい!鉄也!いきなり落とすな!
怪我したらどーすんだよ!」


「センパイ怪我しても俺が試合出るんで問題ないっスよ」


「あぁ!?んだとこら!?」



テツと二ツ橋先輩の間に挟まれてどうしようかと思ってたら、さっきテツに落とされた先輩が肩を回りしながら目を鋭くして歩いてきた。



目つきがヤンキーみたいで目が合ったら殺されそう…!
怖くなってテツの大きな背中に隠れた。



「…と、智くん…!」


「え、莉愛知り合いなの!?」



テツの背中から様子を伺っていると、莉愛が小さな声で先輩を呼んだのを聞き逃さなかった。



それは先輩も同じだったのか、莉愛を見て目を丸くしている。



「莉愛!お前なんで…!
大学は地元のところにいくっつってただろ!?」


「う、そ、それは…っ智くんの目を覚まそうと…!」


「目を覚ますってオレは莉愛がなんと言おうとやめるつもりはねぇからな!」


「そ、それでも私は諦めないから…!」


「あ、莉愛…!?」



莉愛は慣れないパンプスで躓きそうになりながらも走り去っていった。



あたしは声をかけるタイミングを見失って、小さくなっていく莉愛の背中を見つめることしかできなかった。