「俺があんたを家まで送る。」

男はそう言った。その言葉に驚くしずか。

「そんな!迷惑かけられません!こんな私を気にしていただいただけで嬉しいのに…ダメです!」

強く言ったしずかであったがそれを無視し男は買い物袋を持ち、しずかの手を握り送ったのだった。

「えっ!あっ、いけません!迷惑かけまくりです…」

しずかは視界が霞むなか男をみたが、気にするなといい、道を案内しろといいそのまま歩いていったのだ。

「あの、差し支えないのであれば、お名前をお伺いしてもいいですか?」

しずかの問いに、男は

「阿木野悟だ」

そう一言いい、家までつれていってくれたのだ。