溺愛というには程遠い

星ノ谷学園(ほのたにがくえん)
日本一の進学校で、偏差値は82。
完全実力主義で、入試から各テストごとでクラス分けがされる。S>A文A理>B文B理>Cだ。
Cは学園内では著しく学力が落ち込んでいる生徒が入るクラスなので1クラスしかなく、逆にSは1年の夏休みには3年生の範囲に入っていく天才が集まった様なクラスだ。
また、校内共通学力テストでつけられるランキングで1位から10位までの者は学費免除、奨学金支給など様々な高待遇が受けられる。その代わりそれらを受けるには生徒会役員にならなければいけないという制約があるが。

私は、3年間首席で卒業し特待生で海外の大学に行くため、この学校に入った。勿論入試は首席、Sクラスだ。その理由は、単純。

家族から、離れたい。

ただそれだけの、なんとも幼稚な理由で、私にとっては私の生命を維持するためには必要なことなんだ。