「痛っ。悪かったってば」 その事を知ってる優弥は夏になるとお決まりのようにこうやってからかう。 …まだ梅雨なのにっ! 心許ない薄い布団の中で優弥に背を向けて壁に額を当てる。 するとおもむろに優弥がベッドに横たわる気配。 「…ごめん」 無理やり私の腰に腕をまわした優弥が背中越しに抱きしめた。 怖くて眠れなくなった時にはいつも優弥がこうして抱きしめてくれてた。 私が眠るまで。 そんな安心感から大人しくそのまま瞳を閉じた。