長い梅雨が明けた日


「よろしくされなくても一人で帰るよ」

男同士で何か話があるのかと思い、二人に背を向けて歩き出した。

「あれ?だって空見てたから暗くなって怖いんじゃなかったの?」

「…」

河野の意地悪そうな言い方。

振り向くと河野の意地悪そうな笑み。
その顔で言いたい事が分かると慌てて優弥の背中に回り込んだ。

河野の奴っ!

「健二、帰り際に言うなよ。帰りが面倒臭くなるだろ」

呆れた優弥がそのまま歩き出すと私もシャツを掴んだまま後をついて行く。

口角を上げてる河野を睨みつけると、ぷっと吹き出して笑われた。



私と優弥は幼馴染み。

幽霊の類いが苦手な私は、怖くなると無意識に優弥の服を掴んでしまう。

幼い頃のトラウマ的なやつ。

それを知ってる河野だから、私が優弥のシャツを掴んでるのを見て笑ったのだ。

普段は一人で帰ってもそんなの全く気にしないけど、一度気にしてしまうと電柱や自販機にさえビクついてしまう…。


くっそ。河野めっ!