仕方なく大きなため息をついて歩きながら話しを聞こうとしたら、女子部員と入れ違いで部室に向って歩いて来た後輩の1年男子集団に出会した。
彼らが私達に気付くと揃った声が聞こえた。
「河野先輩っ、白井先輩っお疲れ様っしたっ!!!」
「あ、うんお疲れ様ー」
「お疲れー」
軽く声をかけて男子軍団とすれ違い校門へと向かうが、控えめでいて丸聞こえの男子軍団のひそひそ話が耳に入る。
『やっぱり河野先輩と白井先輩って絶対に付き合ってるよ』
そんな声に大きいため息を漏らす。
部室に入ろうとしてる彼らに振り返り聞こえるように声を張った。
「付き合ってないよーー!」
すると、背中越しに私の声を聞いた男子らが慌てて「すいませんでしたーーっ」と部室に逃げ込んだのが見えた。

