長い梅雨が明けた日


意図せず優弥に押し倒されたがノートだけは取られまいと右手で避けると、ノートへと伸びた優弥の手が顔に当たりそうになって思わず眼を瞑った。


ぶつかるっ!!


その瞬間、優弥の手が私の顔を掠めて左頬のすぐ横に手を付いた。

「あっぶね……」

間一髪。

優弥の腕の気配と声で危うくぶつかる寸前で止まってくれたのが分かって、瞑っていた目を開いた。


すると目の前には優弥の驚いた瞳。

近過ぎた優弥の顔は、今尚きめ細かい肌が羨ましい程によく見えた。

思わず左手が動いて優弥の頬に触れる。


「なんで男のくせにこんなに肌が綺麗なのよっ」

自分の肌と比較してついムッとして言ってしまったが、優弥は何も言い返さない。