長い梅雨が明けた日



可愛いすぎる


……。



真っ赤な頬に手を添えると再び理乃がビクッと反応する。


「…他に何された?」

「…え?あ、他…何も…」

挙動不審すぎ。



今すぐキスしたい。


そんな衝動から沸いた疑念。

幼馴染みの優弥ならキスなんていつでも出来そうな気がしたから。


「理乃、ちゃんと教えて」

何も無ければ即答すると思う。

「……」


やっぱり他にもあったのか…。


「理乃っ!」

ちゃんと言って。

そんな気持ちで名前を呼ぶと、理乃が再び俺に抱きついて胸に顔を埋めてきた。

「…キス…」

かろうじて聞こえた声。

「されたのか?」

やっぱりかっ!

彼氏の俺ともまだしてないのに?

頷く理乃を問い詰める。

「何回?」

「…」

「どこに?」

「そ、そんなの覚えてなぃ」

「覚えてないほどキスされてたのかっ?」

誤魔化す理乃に苛ついて口調が強くなる。