長い梅雨が明けた日


「…理乃が優弥を男として見なくてブチ切られた跡か?」

「…」

腕の中の理乃が俺にしがみついて無言で頷いた。

だから俺も腕に力を込めた。


こんな事で理乃を手放すわけない。

しがみつく理乃に大丈夫と安心させる。


ってか、初めて理乃に抱きつかれて単純に嬉しいのと理乃は俺のだというのが本音。


「俺が理乃に告る前だから仕方ねぇけど、今度また付けられたらその時は覚悟しろよ」

そう伝えてから理乃の肩に顔を埋める。

そしてシャツの首回りを少し引っ張って理乃の肌に吸い付く。


すると理乃がビクッと固まった。


鎖骨の近くに俺の印を刻む。

理乃が鏡を見たらすぐ気付くように。



顔を上げて自分のつけた跡を見て満足していたら、視界に真っ赤な顔の理乃が見えた。

その表情が更に俺の欲を満たす。