振り向いて理乃を見れば、観念したように大人しく俯いていた。
その姿を見て、少しだけ苛立ちが治まった。
理乃が好き好んでやったわけじゃない。
理乃は被害者だ。
分かっていても気が晴れない俺は再び理乃を抱きしめた。
「それ、優弥だろ?
怒らねえから教えて。いつ付けられた?」
「………月曜…」
月曜…。
優弥が理乃に告った日、か…。
そう考えてほんの少しだけ気持ちが治まる。
告白して振られて襲うような奴ではない。
優弥の立場を考えたら安易に想像出来た。
多分、優弥が理乃に告白してもスルーされたんだろうな。
恋愛に鈍い理乃に、本気の告白をしても本気にされなくてキレたか。
理乃を襲うならいつでも出来る立場の優弥がずっと理乃を大事にしてた。
なのに、いつまでも自分を男として見てくれない理乃に苛立ちをぶつけた。
ってとこか?

