長い梅雨が明けた日


カランッ


ドアベルが鳴ると予想通りの声が聞こえた。

「いらっしゃいませー」

「今日もいらっしゃってやったぞ」

「なんだ健二か。あれ?もしかしてうちで待ち合わせか?白井が来てるぞ」

よっしゃー!
サンキュー神田っ!

「理乃はどこ?」

「上にいるよ。宮下も来てくれてサンキューな」

「い、いえ」

「行こう宮下」

俺が声をかけると、宮下は慌てて「はいっ」と気を入れ替えてくれた。

俺も浮つく気持ちを押さえて宮下の後から階段を上がった。