「ねぇ。河野って好きな子いるの?」
思ったことを口にした。
好きな子がいるから彼女を作らないのかと思ったから。
「……なんだよ急に」
あれ?違った?
河野は機嫌悪そうにこっちを見た。
「だって河野はモテるのに彼女作らないじゃん。だからお目当ての子がいるのかなぁと思って」
「それを言ったらお前だってそうだろ。好きな奴いるのかよ」
また質問返し。
「そんなのいる訳ないでしょ。私がモテないからって嫌味なの?」
「……即答かよ。まぁそうだろうとは思ったけどな」
機嫌が悪いと思ったのに何故か機嫌が治ったようないつもの表情が見えた。
「即答だよ。ってか、河野は即答出来ないってことは好きな子いるんだ?」
わざとらしく不敵な笑みを浮かべて聞いてみた。

