私の謝罪を聞いた河野がまたため息をついた。

「…そんな事だろうとは思ったけどな」

「え?気付いてたなら早く言ってよ。また噂されちゃうじゃん」

自分のした事を棚に上げて軽く睨みつける。
すると河野も気分を害したらしい。


「だったら傘に入って来んじゃねぇよ。
相合い傘なんて余計に噂されるだろ」

「あ、そっか。んー…でも今更だしね。前から言われてるんだから変わらないでしょ?」

河野の傘を出てわざわざコンビニで傘を買いたくなかったから噂なんて今更だろうと思った。


「……ほんと、お前は気楽でいいな」

何度目かの河野のため息と呆れ声。
でもその言葉につい聞き返してしまった。